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2015.07.08New

訪日外国人旅行(インバウンド)トレンドから見えること

2014年の都道府県別外国人延べ宿泊者数シェア

日本政府観光局(JNTO)が発表した「訪日外客数の動向」(※1)データによると、2015年1月~5月の累計訪日外国人旅行者数は前年比+44.9%と大幅に増加しており、2015年5月の訪日外国人旅行者数は過去最多となった。
 
2014年の都道府県別外国人延べ宿泊者数シェア(上図参照)を見ると、上位を東京・大阪の主要都市への偏りがみられる。観光庁が発表した2015年版「観光白書」(※2)では、客室稼働率が東京都は81.5%、大阪府は81.4%と主要都市が8割を超える一方で、47都道府県の稼働率の標準偏差は7.7%から10.2%に拡大しており、地域差が広がったことが指摘されている。これを受けて国は、主要都市以外の地域への観光需要創出を目指し「広域観光周遊ルート形成計画」を認定(※3)して、新たな観光ルートの促進を進め 「2020年に向けて2,000万人」を目指している。
 
来日した外国人の約2割が訪れるとされる秋葉原では、外国人旅行者の増大に伴い大変賑わった状況となっているが、増大する訪日外国人旅行者の受入環境は十分に整備されていない。このため、免税店等での買い物が主たる目的とされ、まち全体を回遊する外国人は少なく、短時間で次のスポットへ移動してしまっている。
秋葉原の地域特性を活かした、おもてなしサービスの充実が課題となっている。
 
 
※1 日本政府観光局(JNTO)が2015年6月17日に発表した「訪日外客数(2015年5月推計値)」を参照
※2 観光庁が2015年6月9日に発表した「平成27年(2015年)版観光白書」を参照
※3 観光庁が2015年6月12日に発表した「広域観光周遊ルート形成計画の国土交通大臣認定について」を参照